OBD
近年の自動車やオートバイにはインジェクションが採用され、ECU(Electrical Controll Unit)によって管理されています。
ECUを採用している車種ではOBD(On-board diagnostics)と呼ばれる自己診断機能が搭載されています。
これはパソコンやスマホと接続して各センサーをモニターし、車両の状態や故障を検出する機能です。
ウラルも例外ではなく、2014年モデルからインジェクションが採用されました。
私のウラルはインジェクションをオリジナルのエレクトロジェット製からケイヒン製にアップデートしています(いわゆるGEN2)。
その際、メインハーネスやECUは2019年相当のものに更新されています。
2019年式以降のモデル用に、ECUへアクセスする為のDEALER TOOL KITがウラル・ジャパンから販売されていますが、価格が7万円超と、簡単に手が出せる金額ではありません。
海外のユーザーフォーラムに、GEN2 ECUは市販のOBDスキャナーで読み書きが出来るとの情報を見つけました。
ウラルのECUは台湾のaRacer(エーレーサー)と言うメーカーのOEMであることが公表されています。

【aRacerのサイトより】
ウラルのECU診断用コネクタは一般的なOBD2コネクタではなく、aRacer仕様の6ピンコネクタが採用されていますが、ウラルではその内の3本しか使われておらず、aRacerのものとも異なる模様。
そこで、OBD2コネクタをウラル仕様のコネクタに変換するアダプターを製作してECUへアクセスしようと言う訳です。
それでは以降の記事をお読み頂く前にお約束。
以下の材料を用意しました。
ウラルの診断用コネクタに対応するカプラーのセットです。
バラ売りもありますがセットが便利。
端子が6本付いてきますが、使用するのは3本なので加工に失敗しても安心です(笑)
ケーブル(全結線)付きOBD2コネクタ(メス)です。
OBD2スキャンツールです。
私はiPhoneで使用するためiPhone対応のものを選択しました。
後述の理由によりISO 14230(Kライン)に対応した物が必要です。

回路図を追いかけると、
2番=黒=グランド(マイナス)
4番=水色=電源(プラス)
6番=緑=ECUからの信号線
だと分かりました。
一方、ODB2コネクタのピン配置は次の通り。

OBD2は次の5種類の通信規格に対応しています。
SAEJ1850(PWM) フォードの標準プロトコル
SAEJ1850(VPM) GMの標準プロトコル
ISO 9141-2(Lライン) ヨーロッパ車の標準プロトコル
ISO 14230(Kライン) Lラインを改良した規格
ISO 15765(CAN) 2008年から米国内で装備が義務付けられた規格
なのですが、SAEJ1850とISO 15765は信号線が2本必要で、ISO 9141-2はほとんど使われていない古い規格なので、ウラルの信号線はISO 14230(Kライン)であろうと推測できます。
と言う訳で、下記の通り結線します。
購入したケーブルは線の先がハンダ処理されていたので、ハンダ部分を切り落として4ミリほど被覆を剥きました。
テスターでコネクタの各ピン(4,7,16番)とバラ線の先を当たって必要な線を調べます。

各線にワイヤーシールを通したあと、端子を圧着します。
被覆部分はワイヤーシールを一緒に圧着します。
使用しない線は切り落としました。

カプラーに各端子を嵌めていきます。
画像の向き(ロック爪が上)にして、
③②①
⑥⑤④
です。

完成。
バラ線の根元には補強のためビニールテープを巻き、結束バンドで留めました。

OBD2スキャナーを取り付けました。
Kラインのプロトコルをサポートしているものなら何でも良いと思います。
下記の物は無料、無登録で使えました。

ウラルの診断用コネクタに作成したアダプターのカプラーを嵌めます。
まだエンジンは始動させません。
キーオンしてOBD2スキャナーが動作するか確認します。

接続タイプは「Bluetooth」を選択し、リストの中からデバイス名「ODBII」を選択します。
(デバイス名はODB2スキャナーによって異なります)

接続が確立すると緑LEDが点滅し始めました。

ECU接続が「接続完了」になりました。
上手く行ったようです。

エンジンを始動させ、センサー類の情報も受け取れるようになりました。
エンジン回転数だけは何故か一桁低く表示されます。
(例:700RPM→70RPM)
後で調べます。

本来なら診断用コネクタには端子保護のためダミーカプラーが装着されているはずですが、私のウラルには付いていませんでした。
ディーラーが付け忘れたのかアップグレードハーネスには付いてないのか。
予備のカプラーを取り付けておきました。
これでECUエラー時にはエラーリセットも出来るようになるはずですが、現在エラーが発生していないので試せません。
その時になったら試してみようと思います。
これはパソコンやスマホと接続して各センサーをモニターし、車両の状態や故障を検出する機能です。
ウラルも例外ではなく、2014年モデルからインジェクションが採用されました。
私のウラルはインジェクションをオリジナルのエレクトロジェット製からケイヒン製にアップデートしています(いわゆるGEN2)。
その際、メインハーネスやECUは2019年相当のものに更新されています。
2019年式以降のモデル用に、ECUへアクセスする為のDEALER TOOL KITがウラル・ジャパンから販売されていますが、価格が7万円超と、簡単に手が出せる金額ではありません。
海外のユーザーフォーラムに、GEN2 ECUは市販のOBDスキャナーで読み書きが出来るとの情報を見つけました。
ウラルのECUは台湾のaRacer(エーレーサー)と言うメーカーのOEMであることが公表されています。

【aRacerのサイトより】
ウラルのECU診断用コネクタは一般的なOBD2コネクタではなく、aRacer仕様の6ピンコネクタが採用されていますが、ウラルではその内の3本しか使われておらず、aRacerのものとも異なる模様。
そこで、OBD2コネクタをウラル仕様のコネクタに変換するアダプターを製作してECUへアクセスしようと言う訳です。
それでは以降の記事をお読み頂く前にお約束。
警告!
この記事に書かれている内容はメーカー非推奨の作業となります。
誤った操作や作業をおこなうとECUの破損や故障、エンジンの損傷、車両火災や負傷に繋がる恐れがあります。
記事の内容を理解せずに決して真似をしないでください。
また、記事の内容は車種や年式によって異なる場合があります。
記事の内容を実践したことによって如何なる損害が発生しようとも当方は一切関知致しません。
全て自己責任の下に作業をおこなってください。
準備
以下の材料を用意しました。
ウラルの診断用コネクタに対応するカプラーのセットです。
バラ売りもありますがセットが便利。
端子が6本付いてきますが、使用するのは3本なので加工に失敗しても安心です(笑)
ケーブル(全結線)付きOBD2コネクタ(メス)です。
Panlong
OBD2スキャンツールです。
私はiPhoneで使用するためiPhone対応のものを選択しました。
後述の理由によりISO 14230(Kライン)に対応した物が必要です。
配線
ウラルの診断用コネクタの配線は次の通りです。
回路図を追いかけると、
2番=黒=グランド(マイナス)
4番=水色=電源(プラス)
6番=緑=ECUからの信号線
だと分かりました。
一方、ODB2コネクタのピン配置は次の通り。

OBD2は次の5種類の通信規格に対応しています。
SAEJ1850(PWM) フォードの標準プロトコル
SAEJ1850(VPM) GMの標準プロトコル
ISO 9141-2(Lライン) ヨーロッパ車の標準プロトコル
ISO 14230(Kライン) Lラインを改良した規格
ISO 15765(CAN) 2008年から米国内で装備が義務付けられた規格
なのですが、SAEJ1850とISO 15765は信号線が2本必要で、ISO 9141-2はほとんど使われていない古い規格なので、ウラルの信号線はISO 14230(Kライン)であろうと推測できます。
と言う訳で、下記の通り結線します。
- ウラル OBD2
- 2 = 4(マイナス)
- 4 = 16(プラス)
- 6 = 7(信号)
加工
OBD2ケーブルのバラ線が5センチほど出るようにケーブルの外皮を剥がします。購入したケーブルは線の先がハンダ処理されていたので、ハンダ部分を切り落として4ミリほど被覆を剥きました。
テスターでコネクタの各ピン(4,7,16番)とバラ線の先を当たって必要な線を調べます。

各線にワイヤーシールを通したあと、端子を圧着します。
被覆部分はワイヤーシールを一緒に圧着します。
使用しない線は切り落としました。

カプラーに各端子を嵌めていきます。
画像の向き(ロック爪が上)にして、
③②①
⑥⑤④
です。

完成。
バラ線の根元には補強のためビニールテープを巻き、結束バンドで留めました。

OBD2スキャナーを取り付けました。
接続
iPhoneにOBD2スキャナーアプリを入れておきます。Kラインのプロトコルをサポートしているものなら何でも良いと思います。
下記の物は無料、無登録で使えました。

ウラルの診断用コネクタに作成したアダプターのカプラーを嵌めます。
まだエンジンは始動させません。
キーオンしてOBD2スキャナーが動作するか確認します。

接続タイプは「Bluetooth」を選択し、リストの中からデバイス名「ODBII」を選択します。
(デバイス名はODB2スキャナーによって異なります)

接続が確立すると緑LEDが点滅し始めました。

ECU接続が「接続完了」になりました。
上手く行ったようです。

エンジンを始動させ、センサー類の情報も受け取れるようになりました。
エンジン回転数だけは何故か一桁低く表示されます。
(例:700RPM→70RPM)
後で調べます。

本来なら診断用コネクタには端子保護のためダミーカプラーが装着されているはずですが、私のウラルには付いていませんでした。
ディーラーが付け忘れたのかアップグレードハーネスには付いてないのか。
予備のカプラーを取り付けておきました。
これでECUエラー時にはエラーリセットも出来るようになるはずですが、現在エラーが発生していないので試せません。
その時になったら試してみようと思います。