原付二種免許?
 
ウェビックプラスに掲載された記事だが、書いてある内容があまりにデタラメだったので注意喚起として紹介する。




「原付二種免許」はありません

元記事では「小型限定普通二輪免許」について、
ライダーの会話の中では「原付二種免許」と呼ぶことが多いのですが、同じ免許を指しています。
と書いてあるのだが、「原付二種免許」という免許は存在せず、明らかに誤用なのだから「同じ免許を指しています」じゃなくて訂正するのがメディアの仕事じゃないのか。

自動車に関する法律には大きく分けて車両の構造などを取り決めた「道路運送車両法」と運転免許や最高速度などを取り決めた「道路交通法」があるのはご承知の通り。

「原付二種」とは道路運送車両法における車両の定義の名称(略称)だ。
道路運送車両法では「原動機付自転車」について排気量50cc以下の車両を第一種原動機付自転車(原付一種)、排気量50cc超125cc以下の二輪の車両を第二種原動機付自転車(原付二種)としている。
道路運送車両法施行規則第一条

一方、道路交通法において「二種免許」とはタクシーやバスといった「乗客を運ぶための免許」を指している。
道路交通法第八十六条

道路交通法では「原動機付自転車」について二輪のものおよび内閣総理大臣が指定する三輪以上のものについては排気量50cc以下と定めている。
道路交通法施行規則第一条の二

また、道路交通法では原動機付自転車の乗車定員を一名と定めている。
道路交通法施行令第二十三条

従って原動機付自転車では乗客を運ぶことができないのだから「原付二種免許」はあり得ない。


小型限定普通二輪免許でも高速道路を通行できる

もっと問題なのが「免許区分詳細」と書かれた項目だ。

免許区分詳細
【免許区分詳細】ウェビックプラスの記事よりスクリーンショット

ここに書かれた内容が全くのデタラメ。

先ず「高速道路の走行:NG」と書かれているが、運転免許の要件に「高速道路通行の可否」は含まれていないので、小型限定普通二輪免許であっても高速道路や自動車専用道路の利用は可能だ。

「高速自動車国道法」では「自動車」の定義を道路運送車両法に求めているので、道路運送車両法における自動車ではない原動機付自転車は高速道路を通行出来ない。
高速自動車国道法第二条の4

しかし50cc超125cc以下であっても、側車付きの自動二輪車や全長が2.5メートルを超える等の自動二輪車は道路運送車両法における自動車となるので、小型限定普通二輪免許で運転して高速道路を通行できる。
道路運送車両法施行規則別表第一

あくまで乗っている車両が道路運送車両法における自動車ではないから高速道路や自動車専用道路が利用できないだけで、運転免許は全く無関係だ。


二人乗りについて、「二輪免許取得後1年以上経過している場合」とあるが、これも側車付きの自動二輪車を運転する場合は除外となり、免許取り立てであっても定員乗車させることが出来る。
道路交通法第七十一条の四


法定速度および二段階右折については運転する車両の種別によって規定されるもので、運転免許とは全く関係が無い。


このように、記事では道路交通法と道路運送車両法を混同してしまっており、知識の無い者が思い込みだけで書いた記事であることは明白だ。


そもそも冒頭に、
原付二種(50cc超125cc以下)に乗車できる「小型限定普通二輪免許」について解説します。
と書かれているが、原付二種=普通二輪ではないので、二輪免許では運転出来ない原付二種が法律上存在する。

以前、当ブログでも紹介しているが、「保安基準の細目告示第2条の2」に該当する50cc超125cc以下の車両は、道路運送車両法では原付二種だが道路交通法では普通自動車となるため自動二輪免許では運転出来ない。

原付について軽く考えているのか、バイクメディアの記事であっても、誤った記事を頻繁に見かける。
酷いとそれらがファクトチェックの無いまま孫引きされて誤った記事が拡散することもあるので注意が必要だ。