考えるな、動け
先日イタリアのミラノで開催されたミラノ・モーターサイクルショー(通称EICMA:エイクマ)では、カワサキブースに映画「トップガン マーヴェリック」で使用された車両が展示され話題になりました。
Z900RSも登場前のEICMAで“匂わせ”があったんですけどー!!
— ヤングマシン公式 (@youngmachine99) November 12, 2022
まさかのGPz900R復活!? EICMAで展示のトップガン仕様に「離陸に備えよ」の超意味深メッセージ!!https://t.co/8lMrdTHQSZ
この車両が12月20日から神戸のカワサキワールドで日本初公開されることになりました。
神戸市のカワサキワールドにて、イタリア・ミラノショーにも出展した映画登場車両を、期間限定で展示します!
— カワサキモータースジャパン (@Kawasaki_JPN) December 15, 2022
【展示期間】
2022年12月20日(火)~2023年1月22日(日)(予定)
【展示車両】
GPZ900R
Ninja H2 CARBON
皆様のご来場をお待ちしております!#Kawasaki #Ninja #GPZ pic.twitter.com/ysfVhlT2W7
「考えるな、動け」
と言う訳で、早速初日に観てきました(笑)

神戸メリケンパークに到着。
シンボルのポートタワーはリニューアル工事中。
工事中の姿はバビル2世が住んでそうな外観に。

そして神戸海洋博物館へ。
カワサキワールドは神戸海洋博物館内にあり、見学には神戸海洋博物館の入館料900円が必要です。
神戸海洋博物館/カワサキワールドは今まで何度も訪れているので、今回は常設展示には目もくれずに目的に向かって突き進みます。

歴代の名車が並ぶオートバイ展示エリアの奥に…
ありました。

EICMAと同じバックボードの前に置かれた二台。
GPZ900RとNinja H2カーボン。
先ずはGPZ900Rから見ていきます。

この車両は「トップガン マーヴェリック」の為に製作された車両で、前作「トップガン」で使用されたものではないとのことです。
前作の車両はカワサキの公認ではなかったので、カラーリングは変更され、車名ロゴやカワサキロゴは全て外されていましたが、今作では公認となったことでエンジンに「GPZ」「Kawasaki」の文字が復活しています。
ベース車両はフロント16インチ、アンチノーズダイブフロントフォーク、ミラーの形状から北米仕様の前期型(A2?)と思われます。
マフラーやサイドカバーに擦過痕があり、全体にヤレた雰囲気になっていますが、これは年月が経過した感じを出すためのウェザリングが施されているそうです。
ところでウィキペディアには前作のベース車両について「在日米軍が持ち帰ったGPZ750R」と書かれているのですが、この説には疑問があります。
前作のスチール写真などから各部の仕様を見てみると、後部サイドリフレクターあり、ハンドル位置が高い、シートにタンデムベルトが無い、ステップ位置が低いなどの北米仕様の特徴が多数有り、帰国後にこれらを北米仕様に変更したとは考えにくいためです。
続いてNinja H2カーボン。

前作のGPZ900Rが市販車では当時最速の時速250kmを記録したように、Ninja H2も市販車最速の時速400kmを記録した車両でもあります。
まさにトップガンのイメージにぴったりと言える車両なんですが、実物を見ると色々おかしい。
カーボン柄のアッパーカウルは2019年以降のH2カーボンのもので、一見H2カーボンに見えるのですが。
カラーリングはカウルに緑の差し色が無く、フレームもグレーで、これは2016年頃の海外仕様H2/H2Rにあったミラーコートスパークブラックと言うカラーですが、海外仕様H2に装備されているリフレクターが装着されていません。
エンジンに付けられている「SUPER CHARGED」バッジも2016年頃のデザインですが、何故かロゴが消されています。
そしてマフラーは触媒のない4in1で、これは明らかに競技用モデルH2Rのマフラー。
リフレクターが装着されてないこと等と合わせると、ベース車両は2016年頃のH2Rなんじゃないでしょうか。
と言う訳で、この車両はH2カーボンではなく、H2RにH2カーボンのカウルを被せた車両のような気がします。
映画ではタンデムのシーンがあるのに実車はシングルシートだし(笑)
何でこんな器用な車両を作ったんだろう。

なお、大人の事情で「トップガン マーヴェリック」とは何処にも書かれていません(笑)
車両展示は2023年1月22日までの予定です。
他にもカワサキの名車が多数展示されてますので、そちらも楽しめると思います。