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EURO5
 
ウラル・ジャパンは6月18日付のニュースレターで、2022年モデルの詳細を発表した。



URAL2022.Change
【画像はいずれもニュースレターより】

やはり最大の変更点はEURO5適合の為の対応で、実に圧縮比20%増の高圧縮ピストンや、触媒を二連で搭載するなどして、空冷エンジンのままEURO5に適合させている。

URAL2022Exhaust
新たに採用された2-into-1排気システムでは、マフラーは一本出しのアップタイプとなり、最低地上高が上がっている。
従来の二本出しダウンマフラーではオフロード走行時に路面に接触して脱落してしまうことが多々あった。
また、サイレンサーは従来のオプションだったGPR製より太い物のように見えるので、静粛性も保たれているように思う。
GPRマフラーは抜けが良すぎてトルク不足になるとの話があり、その辺りへの対応なのかも知れない。
画像のモデルではシングルシートが採用されており、アップマフラーとの絡みで本車への二名乗車に対応するのかは現在のところ不明。

URAL2022STAND
センタースタンドは従来の物より容易にスタンドアップできるようにデザインが一新された。
現行モデルのスタンドはスタンドアップにコツと体力が必要なので、これが流用できれば非常に助かるのだが、このスタンドはアップマフラーの装備前提のデザインであることと、スタンドの取り付け位置が変更されているため現行モデルには流用出来ない可能性が高い。

URAL2022RBrake
現行モデルのサイドブレーキ一体のHB製ブレーキから一新され、制動用にはブレンボ、サイドブレーキ用にはJ.Juan(ホタ・ホアン)製の機械式ブレーキを採用している。
J.Juanはスペインのブレーキメーカーで、今年の5月にブレンボに買収され、現在はブレンボの傘下企業なので、品質については折り紙付きと言えるだろう。
HB製ブレーキキャリパーはサイドブレーキを兼用する構造上、ブレーキパッドが減ってくる度にサイドブレーキを調整しなければならないが、今回、別体となることで頻繁な調整が必要なくなる。
ブレーキディスクは現行モデルと同じスペインのNG Brakesの物を採用しているが、形状が8ピンフローティングブレーキローターに変更される。

車両価格は、普通自動車MT免許で運転できる2WDのGearUpが256万8千500円。
大型自動二輪車免許が必要な1WDのcTが243万6千500円。
(いずれも税込み。組立及び登録等に係る諸費用が別途必要)
 
初回生産分は今年の秋~冬頃入荷予定とのこと。

歩行者
 
国家公安委員会は6月14日、原動機を有しないキックボード(以下「キックボード」)について、道路交通法上の歩行者とする見解を公表した。



これは、グレーゾーン解消制度に基づく事業者からの照会に対する回答として公表したもの。

これまで、キックボードはローラースケートに類する遊具とされ、道路交通法76条の4の三において、交通の頻繁な公道での使用が禁止されていた。
4 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
三 交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。
今回、両輪で独立したハンドブレーキやサスペンション、警音器、前照灯など、自転車に相当する装備を備えたキックボードが道路交通法上の軽車両に相当するかを、グレーゾーン解消制度に基づき事業者が確認を求めた。

国家公安委員会は次の通り回答している。
確認の求めに対する回答内容の公表(原動機を有しない電動キックボードの取扱い(令和3年5月14日付け照会))より一部引用。

照会書2.(2)に記載のキックボード(原動機を有さないものに限る。)は、現に広く一般的に人又は物の運送の用に供されておらず、また、車体の大きさや安定性、動力源等の構造を総合的に勘案してもそのように用いられることが想定されないため、道路交通法上の「車」として何らかの規制を行う必要性が認められず、「車」には当たらないと解されることから、当該キックボードを用いている者は、道路交通法上の歩行者になると解される。したがって、当該キックボードは道路交通法第2条第1項第11号イに規定する「軽車両」には該当しないと解される。
キックボードは自転車など他の軽車両と異なり、小さく速度が出ないので車両として規制する必要は無いとの見解になったようだ。
だが、キックボードが「軽車両ではなく歩行者」と解釈されることで、これまで交通の頻繁な公道での使用が禁止されていたキックボードが、障害者の車椅子と同様に歩道を通行出来るようになる可能性がある。

ただし、道路交通法第2条の3で対応が明記されている障害者用車椅子と異なり、キックボードが歩道を通行出来るようになるためには警察庁の通達が必要だ。
記事執筆時点で、この件に関して警察庁からの通達は出されていない。
警視庁交通相談にも確認したが、国家公安委員会の回答は承知しているものの、警察庁からの通達が有るまでは、各警察では従来通りの対応になるそうだ。


賀曽利さん
 
5月31日に下野新聞などが報じた東北道でのひき逃げ事件について。
 31日午前6時10分ごろ、栃木市藤岡町都賀の東北自動車道下り線で、車とオートバイが衝突する事故があり、オートバイを運転していた神奈川県伊勢原市、フリーライター男性(73)が左手の骨を折るなどのけがをした。普通乗用車とみられる車は逃走しており、県警高速隊はひき逃げ事件として捜査している。

この事件で被害に遭った「フリーライター男性」が、オートバイ冒険家の賀曽利隆さんだと判った。



賀曽利さんは「アフリカ大陸一周」や「世界一周」、「六大陸周遊」などのバイクでの世界走破や、日本一周を何度も成功させ、「バイク界の鉄人」と呼ばれるレジェンド。
私も何度かお会いしたことがあるが、とにかくバイタリティに溢れ、サービス精神旺盛な方だった。
賀曽利さんはツーリングマップルの東北エリア実走調査を担当されているので、この事故もその取材中だったのかも知れない。



この事故で賀曽利さんは指を骨折するなどしたが、既に退院しているらしい。
先ずは一安心。

新聞記事によると、事故現場は3車線の道路で、車が第3車線から第2車線に車線変更した際に、第2車線を走っていた賀曽利さんのバイクに接触したらしい。
詳細は分からないが、第3車線は追い越し車線なので、車が追い越しを掛けていた可能性がある。
車が追い越し車線から走行車線に戻る時に、走行車線の車やバイクに接触する事故は珍しくない。
追い越しの際に走行車線の車が視界から消えると、そのまま走行車線に入ってくる車が非常に多いためだ。
教習所では、走行車線の車がサイドミラーに全部収まってから車線変更するように教えているはずだが、普段から余裕の無い運転をしている人は、そんなこと忘れてしまっているのだろう。
これは不慣れな運転者だけではなく、プロであるはずのトラック運転手ですら、このような運転をする人は多い。
トラックの場合は車両の長さを考慮していないこともあるのだろう。
そんなこともあって、私は追い越しを掛けられたら5km/h程度減速して、早めにやり過ごすようにしているが、これは追い越しを掛けられていることが判っている場合であって、合図も無しにいきなり車線変更されたら対処のしようが無い。

ひき逃げは論外だが、誰しも普段から余裕のある運転が求められると思う。


バイクで越えた1000峠(小学館文庫) Kindle版



50CCバイクで島の温泉日本一周(小学館文庫) Kindle版


賀曽利さんの著書は枚挙に暇がない。


ツーリングマップルR 東北 単行本(ソフトカバー) – 2021/3/10

賀曽利さんが実走調査を担当しているツーリングマップル東北版。


サイドカー
運転免許

以前、損害保険会社のチューリッヒが、サイドカーの運転に必要な免許や、適用される法規について解説している記事を紹介した。
この記事は、書かれている内容が八割方デタラメと言うとんでもないもので、損害保険会社であってもサイドカーに対する認識はこの程度なのかと驚くと共に、こんな認識では、もし事故に遭ったとき正しい被害査定をしてもらえるのか大変不安になった。

 


同じテーマを、バイクメディアの「バイクのニュース」が記事にした。
今度は書いたのがバイクメディアなので、チューリッヒのようなことは無いだろうと思ったのだが、読み進めると気になるところがいくつかあった。

では、その記事の問題箇所を順に見ていこう。

元記事では冒頭から、サイドカーは構造の違いにより免許が異なることを示している。
そこまでは合っている。

 通常のバイクの乗員は最大2名です。しかし、サイドカーの場合は側車に人が乗れるため最大3名まで乗車が可能となります。
乗車定員を定めている道路運送車両法五十三条では「二輪の軽自動車(側車付二輪自動車を除く。)にあつては乗車定員二人以下」としており、二輪の小型自動車にはこの制限が無い。そして、側車付二輪自動車は除外されている。
また、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示159条他では「乗車定員は、運転者席、座席、座席に準ずる装置及び立席の定員の総和とする」としているので、サイドカーだからと言って乗車人数の制限は無く、車検証に記載されている乗車定員まで乗車させることが可能だ。
実際、二名が乗車できるサイドカー(乗車定員は4名)が存在する。

 見た目からサイドカーの運転はバイク免許で運転できそうに見えます。しかし、実際はサイドカーの構造で、運転に必要な免許が異なり、バイク免許と普通自動車免許と分かれています。基準はいくつかありますが、大きく分けている基準は、側車を切り離して走行可能か、エンジンの動力伝達するタイヤがどちらにあるか、という2点です。
これは警察庁の通達「三輪の自動車の道路交通法上の取扱いについて」に記載されている内容だ。
ただし、実際の判断は車両毎におこなわれる上、判断基準は形骸化されていて、この基準に該当しない区分とされている車種も存在する。

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例えばクラウザー・ドマニは自動二輪車の区分だが、サイドカー一体型で分離することは出来ず、さらには後輪がオフセットされているため、前輪と後輪が一直線ではない。

URAL_2019GearUp_5
一方、ウラル2WDは前輪と後輪が一直線で、パートタイム2WDの為、側車の駆動を停止することが出来るが、区分は普通自動車となっている。
この件について警視庁交通相談に確認したところ、現場ではドライブシャフトが側車に繋がっているかどうかで判断しているそうだ。

また「側車を切り離して走行可能」とあるが、これはあくまで構造上の話であって、実際には側車を切り離すと車体各部を二輪車として再調整せねばならず、単に側車を切り離すだけでは走行することは出来ない。登録においても、側車を切り離したら二輪自動車(または原動機付自転車)に構造変更手続きせねばならない。

 側車を切り離して走行可能なサイドカーは、道路運送車両法では「側車付二輪自動車」として扱われ、バイクの免許で運転できます。その一方で、側車が切り離せないサイドカーは「三輪車」扱いになり、普通自動車免許で運転することができます。
非常によく見かける誤りだ。
道路運送車両法における「側車付二輪自動車」の区分は、トライクが「三輪自動車」の区分であった時代には文字通り「サイドカー付きオートバイ」の事だったが、現在ではトライクも含む区分となっている。
一方、道路交通法における「自動二輪車」の区分はトライクを含まず、二輪車とサイドカー付きオートバイを合わせた区分だ。
このように道路交通法と道路運送車両法では自動車の定義が異なるため、道路交通法の管轄である運転免許の区分を説明するのに道路運送車両法の区分を使っては正しく説明できない。
この場合は「側車付二輪自動車」「三輪車」ではなく「自動二輪車」「普通自動車」とするのが適切だ。
チューリッヒの時もそうだったが、誤った記事は道路交通法に関することを道路運送車両法で説明(あるいはその逆)しようとして破綻しているものがほとんどだ。
「側車付二輪自動車」と言う字面から「サイドカー付きオートバイをのことだ」と盲目的に解釈してしまうのだろう。

 代表的なサイドカーは、ロシアのIMZ・ウラルが販売しているサイドカーです。ウラルのサイドカーは走破性を高めるため側車にも動力を伝えて駆動させることができます。駆動を常時伝えるフルタイム2WDと切り替えて動力を伝えるパートタイム2WDとモデルによって分かれています。
現行のウラルのラインナップにはフルタイム2WDが無く、パートタイム2WDと、側車が駆動しない1WDのみだ。

 扱いでは三輪車であるため、普通免許で運転しなくてはいけません。逆に側車を切り離して、一般的なバイクとして走行可能なものはあくまで、2輪車扱いであるため、排気量に見合ったバイクの免許で運転ができます。
道路交通法には「三輪自動車」の区分は無く、道路運送車両法の「三輪自動車」は「側車付二輪自動車」以外の三輪の自動車(道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第2条の三)のことなので、ここでは「普通自動車であるため」とするのが適切だ。

 注意点は排気量50cc以下のバイクに側車を付けるカスタムをしても、側車は乗員用に使えません。エンジン排気量50cc以下のバイクは2人乗りが禁止されているからです。
そもそも50cc以下のバイクに側車を付けても側車付二輪自動車とはみなされない。
道路運送車両法では三輪の「原動機付自転車」となるし、道路交通法では「原動機付自転車」だからだ。
因みに50cc超125cc以下の二輪車(原付二種)に側車を付けた場合は「側車付軽二輪」となる。運転免許は普通自動二輪免許(小型限定も可)だが、原動機付自転車ではなく自動車となるので自動車専用道路も通行可能になる。


あと、間違いでは無いけど、サイドカーの特性を説明するのに、テキストでは左側車を例にしているのに、その後のウラルジャパンのブラド社長のインタビューでは右側車を例に説明しているので、どちらかに統一したほうが分かり易いんじゃ無いかと思った。

残念ながら、バイクメディアの記事であっても、サイドカーへの理解はほど遠いことを実感する内容だった。


2WD
 
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もう消されちゃったのでアレなんですが、Webオートバイにウラル・ギアアップのインプレッション記事が載りまして。
記事自体は、よくある紹介記事だったんですが、この記事の内容を巡って、ウラル乗り界隈でちょっとした騒ぎになったのです。

それがこちら。

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悪路を走行する際は迷わず2輪駆動での走行をオススメするが、高速道路での巡航時においてもサイドカーとは思えぬ落ち着いた走行を実現してくれる。ただひたすら直線を一定の速度で走行する場合は、2輪駆動だと振られが極端に少なく、目的地に辿り着いた時の疲労感が格段に少なくて済むし、安全であるといえよう。通常の1輪駆動のサイドカーならではの振られをコントロールする、「乗りこなしている」という醍醐味はかなりスポイルされるが、時と場合により選択できる幅があるのもギアアップならではだろう。
えっ?
2WD入れたまま高速道路を走ったんですか?(白目)
ウラルの2WDは本車と側車の車輪をドライブシャフトで直結するもので、オフロード四輪駆動車に装備されている「デフロック」機構に相当する物です。
本車と側車が直結しているため、未舗装路での走破性は各段に向上しますが、カーブでの内輪差を吸収できないので、舗装路で使用すると駆動系に深刻なダメージを与えます。
何より舗装路では直進性が強すぎてまともにカーブを曲がることすら出来ません。

この記事を受けて、当然ながらユーザーやディーラーなどから反論が相次ぎました。






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と言うわけで、記事はあえなく削除。

言うまでもなく、この記事は実際に試乗せずに書かれた、いわゆる「コタツ記事」なわけですが、何でこんな勘違いをしちゃったんだろう。
上記でデフロック機構を「オフロード四輪駆動車に装備されている」と書いたけど、最近のオフロード四輪駆動車は、デフロック機構は搭載せずに電子制御でデフロックに似た状態を作るものが多いので、この記事を書いた人はデフロックがどんなものなのか知らなかったのかも知れません。

ウラルの2WDモードでの舗装路走行は本当に危ないので絶対にやってはいけません。

【2021.06.03追記】
5月31日に、問題箇所を訂正した上で記事が再掲載されました。
【追記、ここまで】

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