良いのか?





レスポンスの記事より。

かねてより問題となっている自動二輪車の駐車場問題。
そもそもの発端は取り締まりの空白地帯だった自動二輪車を四輪自動車と同じ取り締まりの対象に加えたことからだった。
ところが自転車や四輪車と違い、自動二輪車を受け入れる駐車場は極めて少ない。
極めてアンフェアの状態での取り締まり強化だったのだ。
当然、日常的に自動二輪車を使用しているユーザーなどからは不満が噴出。
警察庁は4月16日付で、自動二輪車の駐車環境の整備推進を各都道府県警察に通達した。

具体的には、地方公共団体、道路管理者、民間事業者に、自動二輪車の駐車需要が見込まれる場所で、路外駐車場における自動二輪車の利用を可能とする設備の整備、自動二輪車が駐車可能な路外駐車場の新設を働きかける。市区町村に対しては、自動二輪車が駐車可能な駐車場の附置に係る条例の整備について働きかける。
「働きかける」って、もっと積極的な支援策は無いんかい。
もっとも、このような言い回しになっているのは、四輪車専用の駐車場を二輪車共用に変更する場合は駐車場法11条の技術基準に適合させねばならないからだ。
具体的には公共の駐車場で駐車マスの総面積が500平米以上のものが対象になり、出入り口や車路の構造について基準に適合する必要がある。
当然費用も掛かる。

実はこの基準は四輪車用駐車場に自動二輪車専用スペースを追加する場合に適用されるので、四輪車と二輪車を分けない駐車場は適用除外となる。
参考:「駐車場法の改正について」(名古屋市、PDF)

そもそも四輪車用の駐車マスに自動二輪車を駐車させることは法的に問題ないのだから、自動二輪車専用駐車場を作るより四輪車専用駐車場に自動二輪車を受け入れるほうが手っ取り早い。
それを大っぴらに言わないのは、四輪車の駐車マスを自動二輪車が使用すると、四輪車の駐車スペースが足らなくなるのが目に見えているからだろう。

そこで警察庁は次の手を打ってきた。

自動二輪車に配意した駐車規制の見直しも推進する。規制を行っている路線のうち、自動二輪車の駐車需要が高いにもかかわらず、周辺に駐車場が十分に整備されていない場所では、自動二輪車が四輪車より小さいことを踏まえ、規制の対象から自動二輪車を除外することが可能かの検討するよう求める。

早い話が、自動二輪車が駐車しても交通の邪魔にならないような道路では駐車違反の対象から自動二輪車を外そうというものだ。
しかし、駐車場が不足している都市部の道路であれば、自動二輪車以前に不法駐車の四輪車が路肩を占拠している光景をよく見かける。
自動二輪車は除外とは言え、実際に駐車できるのかは微妙だ。

いずれもあからさまな急場しのぎの施策だが、無いよりはマシと言ったところか。
当たり前だが自動二輪車で目的地に行くときは事前に駐車場があることを確認してから行ったほうが良い。