興味深い




バイクの販売不振から「若者のバイク離れ」が叫ばれて久しいが、ヤマハ発動機がおこなったアンケート調査で、実は言われているほど若者は離れてなかったという結果が明らかになった。

そんな彼らの6割近くが、バイクに対して憧れを抱いていることが分かった。また、免許非保有者でも2人に1人が憧れを抱いている。その理由は、「風を感じられそう」「開放感がありそう」「自由になれる気がする」「刺激がありそう」など、エモーショナルな体験が上位にあがっている。

うーん。
バイクにあこがれるのは良いとして、やはりバイクに対する先入観的なものが先走っている感じはある。
「風を感じられる」「開放感がある」「自由になれる」「刺激がある」といったことは、同時にバイクのデメリットでもある。
「天候の影響を受けやすい」「万一の時に守ってくれるものが無い」「法規上の規制、制限が多い」「危険と隣り合わせ」と言い換えることもできるからだ。

興味深いのはバイクに乗りたいと思っている人が相当数いる一方で、二輪免許取得を断念する理由。

バイクに憧れを持つ非免許保有者に、免許を取得しない理由を聞いたところ、8割以上が「転倒が怖い」、7割以上が「バイクの購入費/維持費が高い」、「運転が難しそう」 、「免許取得の費用が高い」と回答。
また、7割近くが「バランスを取るのが難しそう」「車のように運転できなそう」「万が一の経済リスクが高い」と回答している。

購入費や維持費については、車のそれより遥かに安いが、実用性がほぼ皆無のバイクにそれだけ払うメリットを感じられないということなのだろう。
それは免許取得でも同じで、趣味の為に多額の費用を出して免許取得するからには、よほどのメリットが感じられないと踏み切れないだろう。

「転倒が怖い」「運転が難しそう」というのは乗ったことが無い以上仕方がない。
人間は経験したこと以外は基本出来ないのだ。

この傾向は免許取得したもののバイクに乗っていない人にもあるようだ。

免許はあるものの、乗っていない人にその理由を聞いたところ、7割近くが「バイクの購入費/維持費が高い」という経済的理由で乗ることを断念している。また半数近くが、「転倒が怖い」「ブランクが長い」など、運転に対する不安から諦めていることが明らかになりました。

ここまでのデータが揃った以上、次に業界が打つべき手立ては、免許取得希望者やペーパーライダー向けの運転講習を開くことではないだろうか。
安全が担保されたクローズドなコースで、インストラクター指導の元、実際にバイクに乗ってもらう。
最初はインストラクターの後ろに乗って雰囲気を感じるのも良いだろう。

私も運転講習会には参加したいと思っているが、開催が少なく日程が合わないことが多いので実現できないでいる。
また、警察の講習会のように「安全、安全」と言いすぎるのも逆効果だ。
業界がおこなうからには、まずバイクの楽しさを体験する講習会であってほしい。
その為のクローズドコースなのだから。

そうしてバイク乗りのすそ野を広げる活動を、今以上に充実させてほしいと思う。