後退時車両直後確認装置
 
国土交通省は4月1日付けで、「道路運送車両の保安基準等の一部を改正する省令案及び道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等の一部を改正する告示案」についてパブリックコメントを募集する。

これは、国際連合欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)第182回会合において、「後退時車両直後確認装置に係る協定規則(第158号)」が新たに採択され、また、「国際的な車両認証制度に関する手続き等を定めた協定規則(第0号)」、「座席及び座席取付装置に係る協定規則(第17号)」、「四輪自動車の感電防止装置に係る協定規則(第100号)」等の改訂が採択されたことから、国際協定に加入している日本においても対応を求められるものだ。

中でも、令和4年5月(予定)以降に製造される車にバックカメラやセンサーなどの設置を義務づける「後退時車両直後確認装置に係る協定規則」についてはマスコミでも大きく取り上げられた。



 義務化するのは「後退時車両直後確認装置」で、二輪車を除く全ての自動車が対象。
これらは基本的には四輪自動車に向けた措置なので、二輪の自動車やサイドカー、トライクは除外されるはずなのだが、マスコミの記事では「二輪車を除く全ての自動車」となっており、これではサイドカーやトライクも義務化の対象になる。

そこで改めて命令案を読み返してみると、
① 自動車(二輪自動車等を除く。)には、後退時に運転者が運転者席において自動車の直後の状況を確認できる後退時車両直後確認装置を備えなければならないこととする。
となっており、やはりマスコミの早とちりだったようだ。
と言うか、この記事を書いた人はどうやら二輪自動車と側車付二輪自動車が法的に全く別物であることを知らないらしい。
やっぱり報道は鵜呑みにせず一次ソースに当たらないといけないと改めて思い知った。


あと気になったのだが、このニュースが出て、SNSでは「バックカメラよりドライブレコーダーを義務化すべきだ」との声が多く挙がったが、この人達は法の趣旨を誤解している。
バックカメラやセンサーはあくまで歩行者保護の為の装備であって、煽り運転を抑止するためのものではない。

将来的にはドライブレコーダーも義務化されるかも知れないが、保安基準はあくまで車の安全性を担保するものであることを全ての運転者が理解しておく必要がある。