試されまくり

「試される大地」とは、以前「北海道イメージアップ・キャンペーン」という北海道庁が展開しているキャンペーンで使用されていたキャッチフレーズです。
北海道の自然や気候の厳しさを表現したり、北海道で何か新しいことに挑戦するような意味合いで、今でも使われることが多い言葉ですね。

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前日の暴風雨で稚内のホテルに避難しました。
天気予報では翌日から徐々に雨脚が弱くなるとのことだったので、それを見計らって宗谷から紋別に抜け、北見で宿泊するルートを考えていました。

ところが朝起きて状況は一変します。

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稚内から宗谷を抜けて猿払へ至る道が災害で通行止めだというのです。

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これで宗谷へ行く手段が絶たれてしまい、行程の変更を余儀なくされました。
天気予報では紋別まで行けば風雨は収まっているとのことだったので、一旦南下し、名寄経由で紋別へ抜けるルートを取ることにしました。

更に、フロント係の人の話では、ホテル周辺の道路が冠水しており、駅前の国道40号は通行止めとの事。
もしかしたら山側の道道106号なら通れるかも知れない、とのアドバイスを受けました。

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ぎりぎりまで出発を遅らせ、雨脚が弱くなったことを見計らってホテルを出発。
フロント係の人の話の通り、道道106号は交互通行になっているものの通行可能で、何とか稚内を脱出することが出来たのです。

名寄に向かって国道40号を南下していたところ、それは突然やって来ました。
走行中にエンジンが失火し、減速。
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取り敢えず路肩に駐めて再始動を試みましたが、セルは回るもののエンジンが掛かる様子はありません。
私はこの症状に覚えがありました。
インジェクションの故障です。
以前、四国で体験したインジェクションの故障の時の症状と全く同じだったのです。


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この時点で自力修復を諦め、ロードサービスを呼ぶため保険会社に電話。
ところが、ここでも悲劇が。
保険会社によると、稚内全域に非常事態宣言が出ており、ロードサービスが出られないと言うのです。
更に、新型コロナウイルス対策で積車への同乗が出来ないので、自力で移動手段を確保して欲しい、とのこと。
そんな無茶苦茶な!
タクシーはおろか車すら通らない原野の真ん中から、どうやって帰れと言うのでしょう。
事実上救援を拒否されてしまい、途方に暮れてしまいました。

そんな時、幸いにもウラル北海道のK氏と連絡が付きました。
K氏によると、JAFのロードサービスなら来てくれるかも知れない、とのこと。
取り敢えず人の居るところまで移動出来れば、そこまでK氏が引き揚げに来てくれると言うのです。
早速JAFに電話してみると、1時間ほどでロードサービスを手配できるとの事でした。

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しばらく待ってJAFから依頼を受けたロードサービスが到着。
南稚内の整備工場まで運んで貰えることになりました。

K氏に連絡して場所を伝えると、準備でき次第向かうとの心強い返事が。
しかし札幌からここまでどう考えても6時間は掛かるはず。
到着は深夜との事です。

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失意の資本主義飯。

悪いことは続くもので、車両を預かって貰っている整備工場の方から「ガソリンが漏れている」との連絡を貰いました。

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確かに大量のガソリンが漏れ、辺りにはガソリン臭が立ちこめ、路面が虹色になっています。
整備工場の整備士さんと共に漏れている箇所を探したのですが、既に漏れは止まっていて、どこから漏れたのかも分かりませんでした。

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さらに、ガソリン漏れの箇所を探している途中、イグニッションコイルが焼損して融けているのを発見しました。
これも全く原因が分からず、もはや何が起こっているのか見当も付きません。

こうなってしまうとどうしようもありません。
今回の北海道ツーリングは諦めるしかありません。

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【この時の心境(イメージ)】



そして、23時頃、K氏が到着。
まさに拾う神登場。
ウラルを積み込んで札幌のウラル北海道へ向かいました。
札幌に到着したのは4時半でした。

本日の走行距離  9km
積算距離(道内) 691km

(次回に続きます…)