羆嵐
何だか胡散臭い事になって参りました。
夜明け前に起床し、朝食は摂らず撤収作業に入りました。
夜通し雨が降っていたようでテントは濡れていました。
この日は朝から雨予報だったので、雨具を着込んで7時過ぎに星に手のとどく丘キャンプ場を出発しました。
先ず向かったのは、昨日訪れることが出来なかったところです。
一旦留萌まで戻り、海岸線を北上しました。
小平から苫前へ抜けます。
走り続けて、周囲には民家も無くなり、うっそうとした森が続いています。
時刻は11時になろうとするころ、やっと到着しました。
こちらが三毛別羆事件の復元現地です。
三毛別羆事件は日本最悪の熊害(ゆうがい=熊に襲われること)事件として多くの人に知られています。
大正4年に巨大な羆が開拓地を襲い、7名の死者を出した事件です。
この復元現地は当時の状況を再現したものです。
周辺はうっそうとした森で携帯の電波も通じません。
現在でも羆が棲息しており注意を呼びかける看板が設置されていました。
当時の開拓小屋が再現されています。
開拓小屋に襲いかかる羆の模型。
人物(モデル身長180センチメートル)と比べても、その巨大さが分かります。
大げさにも思えますが、記録によると羆は体長2.7メートル、体重340キログラムとの事で、誇張ではありません。
こんなのに襲われたらひとたまりもありません。
羆の爪痕が付いた木。
羆の巣穴との説明でしたが、再現だからでしょうか入口は50センチぐらいの大きさしかありません。
実際の現地は更に数百メートル下流との事ですが、既に自然に還っているらしく、通じる道路も封鎖されていました。
三毛別の地名も現在は山渓と改められています。
三毛別羆事件を題材にしたドキュメンタリー小説。
慟哭の谷 北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件 (文春文庫) (日本語) 文庫 – 2015/4/10
事件の生存者に取材したノンフィクション。これらを読んでから訪れると印象は変わるかも。
そうで無くとも異様な雰囲気に包まれた現場でした。
復元現地を後にして、更に北を目指します。
セイコーマートで軽食を買って食べました。
朝食兼昼食です。
北海道限定「いろはす」ハスカップ味。
ハスカップを食べたことが無いので再現度は不明です(笑)
午後から雨脚が強くなってきました。
海岸線を走り続けていますが、最早周囲は灰色一色で景色も何もあったもんじゃ有りません。
オトンルイ風力発電所に着きました。
28基もの巨大風車が立ち並ぶ姿は圧巻ですが、いかんせん天気が悪すぎます。
晴天時は素晴らしい風景なのでしょうね。
この日は宗谷岬まで走る予定だったのですが、暴風雨だったので宗谷は明日に回し、早めに稚内のホテルに入ることにしました。
この判断が悲劇を生むことになるのです。
ホテル周辺には飲食店が無かったので、駅前のセイコーマートで夕食を買い出し。
まさか三食セイコーマートになるとは(笑)
本日の走行距離 326km
積算距離(道内) 682km
(次回に続きます…)