電動キックボード

 



Engadget 日本版の記事より。

6月23日、FUGU INNOVATIONS JAPANは、6月上旬からドン・キホーテ系列店舗にて販売されていた電動キックボード「FG-ESR002-BK」の販売停止を発表した


FG-ESR002-BK

【FG-ESR002-BK】

FG-ESR002-BKはバックミラーや方向指示器、テールランプ、ナンバープレートホルダーを装備しており、ナンバーを取得することで50ccの原動機付自転車として公道での走行が可能と謳っていた。

しかし23日の発表によれば、のちに公道を走行するための保安基準に問題がある事が判明。ナンバーを取得できても公道走行時に整備不良で取り締まりの対象になる場合があるため、公道走行はできないとしています。
このニュースを見て、この製品について検索してみたんだけど、画像を一目見ただけで問題箇所が幾つも見つかった。

先ず、方向指示器が付いていない。
原動機付自転車の保安基準では、時速20km以下で走行するものについては方向指示器の装備を省略することが出来る(保安基準第62条の3および第63条の2)。
しかし、この製品の最高速度は時速25kmなので、保安基準第63条の2に適合する方向指示器が必要になる。

そして、ブレーキがリアにしか付いていない。
保安基準第61条には「制動性能に関し告示で定める基準に適合する2系統以上の制動装置を備えなければならない」とあり、「2系統」とは、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第258条の三の1などに「 二輪の原動機付自転車にあっては、2個の独立した操作装置を有し、前車輪を含む車輪及び後車輪を含む車輪をそれぞれ独立に制動する主制動装置」と定められている。

この製品は前輪をモーターで駆動するタイプの電動キックボードで、後輪はレバー操作によるドラムブレーキだが、前輪はモーターの減速力を制動力とする電気ブレーキを採用している。
告示第258条で適合を求めている協定規則78号によると、
2.5. 「制動装置」とは、原動機を除く操作装置、伝達装置及び制動装置本体から構成される装置であって、走行中の車両の速度を徐々に低下させ、当該車両を停車させ、かつ、停車中は当該車両の停止状態を保つことをその機能とするものをいう。
とあり、ブレーキは原動機とは別系統の構造でなければならないし、減速は出来ても停車中に停止時状態を保てないのでブレーキとはみなされない。

また、こちらの記事によると、
懸念点として出ているのは、「ブレーキは2系統必要なのに、ブレーキがリア側しか無い」「前後に必要なウインカーがリアにしかない」「前照灯がオフできる(常時点灯が必要)」「前照灯の取り付け位置が高い(地上1m以下でないといけない)」「ウィンカーの色が赤色(橙色でなければいけない)」「形式認定番号が無い」といったもの。
と言った指摘が出ている。

近年、世界各国で電動キックボードの利用が盛んになり、日本でも公道走行可能を謳う製品が多数発売されている。
しかし、保安基準に対する認識が甘いようで、灯火類が付いてさえいれば公道走行可能と誤解し、肝心の保安基準の中身を全く考慮していないように見受けられる製品もある。



例えば昨年クラウドファンディングで大きな注目を集めた「Kintone α GO」は、量産直前に車両が保安基準を満たしていないことが判明し、デザインが大幅に変更された。
この不具合により現在も発売の目処が立たない状況となっている。

Kintone α GO
【デザインが大幅に変更されたKintone α GO】

これらの問題は法律や車両の専門家に監修を受ければすぐに判明するはずだが、それすら満足におこなわれていないのだろう。

FUGU INNOVATIONS JAPANは、返品を希望する人にはFUGU INNOVATIONS JAPANのホームページか電話で連絡をするように案内している。
また、今後、改良した公道対応のキックボードを販売再開する予定だとしている。