他人事?
 
ウェビックバイクニュースの記事より。




元記事ではバイクで走行中の男性が棒で殴られた事件を取り上げ、「マフラーの騒音がうるさかったから」と言う犯人の供述を紹介している。
そして、
自分がされたら嫌なことを、果たして他人にしていないか、をもっと真摯に考えるべきだ。
と結んでいる。


この事件とは次のようなものだった。



逮捕容疑は共謀し5月20日午後9時50分ごろ、同区玉出中の路上で、バイクで走行中の男性会社員(19)の頭を木製の棒(長さ約1メートル)で殴り、軽傷を負わせたとしている。
ここで注意したいのは、「マフラーの騒音がうるさかったから」と言っているのは犯人の供述であって、襲われた男性が整備不良のバイクに乗っていたという確証が何もないことだ。
この事件を扱った他のニュース記事なども探してみたが、そのような記述は見つけられなかった。

同課によると、5月2日には近くの路上で、2人乗りのバイクが男に棒で襲撃され、男性2人がけがをした事件があり、関連を調べている。
との記述もあり、実際は「族狩り」のような事をおこなっていたのかも知れない。

元記事でも触れられているが、騒音は主観的なもので、人によって感じ方は異なる。
その為に保安基準が設けられ線引きがおこなわれている。
メーカー純正も含めて、感覚的にうるさいと感じても保安基準に適合しているマフラーはたくさんあり、「うるさい」=「違法」とは直ちに断言できない
「うるさいと思ったから」人を殴るなど議論の余地もない。


あらためて、前述の事件のニュースに対するWEBのコメント欄にざっと目を通してみたが、今回の一件が周囲からどう見られているのかが伝わってくる。一部を要約して紹介すると、「周りに住んでる人への迷惑を考えない、警察に連絡しても追い払うだけで逮捕にはつながらない、何度走ってるところを襲いたいと思ったか」とか、「これは正当防衛。静かに暮らしている人々の邪魔をする輩にはそれ相応の罰が必要」など容疑者を擁護するような過激な意見も見られる。
ネット上の罵詈雑言をいちいち真に受けるのもどうかと思うのだが。
一般人には法知識の無い人も多く、「うるさい」=「違法」だと思っている人もたくさんいる。
このようなコメントが出てくるのは当然の話だ。
「それを肯定するような意見も少なくないことに大きな恐れと失望を感じる。」とか、まるで他人事のように言っているが、大多数のライダーは遵法意識を持ち安全運転を心がけていることを広く認知させていくのがあなた方ジャーナリストの役割ではないのか。


違法改造マフラーは論外だが、「ノーマルマフラーだから」とか「車検対応だから」と権利を主張するだけでは何も解決されないと思う。自分がされたら嫌なことを、果たして他人にしていないか、をもっと真摯に考えるべきだ。バイク乗りとしての矜持を持って社会の手本となるような“大人の行動”をしていきたいものだ。
権利を主張も何も、そもそも合法なのだから、違法ではないことに理解を求めるのが何故いけないのか。
現在までメーカーや業界団体などは二輪車の社会的地位や遵法意識の向上に尽力してきたが、この言説はそれらを全否定するものだ。
整備不良などの違法性の問題と、迷惑行為などのマナーの問題は切り分けて考えなければならない。

先ずは合法であることに理解を求め、その上でマナーの向上に取り組まなければ、「バイク乗り」=「暴走族」みたいな短絡的な思考の一般人を増やすばかりになってしまうだろう。