車台番号
 
秘密と言うほどでもないんですが(笑)

先日、オンライン・ウラル会(ゆうさん主催)に参加したときに年式の話題になり、参加者のしーちゃんからウラルの車台番号の読み方を教えて貰いました。

ウラルの車台番号はVIN(Vehicle Identification Number)と言う書式で書かれています。
VINは1981年にアメリカで採用され、その後ISO3833で定義されました。
日本ではVINは採用されていませんが、アメリカ市場で販売される日本車にはVINが付与されています。
もちろん、アメリカが主要市場であるウラルも例外ではありません。

VINは17桁の英数字で構成されていて、各桁で用途が決められています。
ざっくり言うと、

  • 製造国
  • メーカー
  • 車両の仕様
  • 年式
  • 製造工場
  • シリアル番号

となっています。
各項目の中身は製造メーカーがある程度自由に決める事ができるので、同じ記号でもメーカー間で意味合いが異なっていることもあります。

ここではウラルのVINの内容について見ていきたいと思います。

例:X8J MH037 * G U 2*****

これは私のウラルのVINです。
途中の空白は説明のためで実際にはありません。
また、*は伏せ字で、実際には英数字が入ります。
以下の説明では英数字の位置は左から数えています。


1〜3桁目・製造国、メーカー

国際製造者識別子(World Manufacturer Identifier)と呼ばれる3桁の記号で製造国とメーカーを識別しています。
1〜2桁目が製造国、3桁目がその国におけるメーカー識別子となります。
上記の例だとX8がロシア、Jがウラルを表しますが、2002年までは旧ソビエト時代のVINが使われていて、XTBとなっています。
この場合だとXTはソ連、Bがウラルを表します。

4〜8桁目・車両属性

4〜8桁目は、9桁目のチェックデジットと合わせて車両記述区分(Vehicle Descriptor Section)となっています。
車両の仕様を識別するものです。
この意味合いはメーカーが自由に付けることが出来るようで、車だとクーペやセダンと言ったボディスタイルやエンジンの排気量などを紐づけているようです。
2003年式以降のウラルではギアアップやCT、パトロールなどの仕様や1WDと2WDの区別はなく、全て「MH037」が振られています。
また、フレーム形状が異なるレトロには「MH036」が振られています。
2002年以前の車両には「3764A」が振られています。

9桁目・チェックデジット

9桁目は17桁のVINが正しいことを示すチェックデジットです。
詳細は省きますが、英字を数字に置き換えた上で所定の計算方法で算出した結果が9桁目と一致していれば、そのVINは正しいと判断されます。

10桁目・年式

10桁目は車両の年式を表す記号です。
VINの義務化は1981年からなので、その前年の1980年を「A」とし、以後「B」「C」「D」と振っています。
ただし、I、O、Q、U、Zと数字の0は使用されませんので、「Y」(2000年)の次は「1」(2001年)です。
記号は「9」(2009年)までで一周し2010年からまた「A」に戻っています。

上記の例では「G」なので2016年式となります。


11桁目・工場記号

11桁目は車両が製造された工場を示す記号です。
これもメーカーによって異なり、工場所在地のイニシャルを入れることが多いようですが、工場が一つしか無いメーカーでは「0」や「1」が使われることもあります。

上記の例では「U」となっています。
ウラルの工場はロシアのイルビトにあるので普通なら「I」(アイ)になりそうですが、VINでは「I」が使用できないのでウラルの「U」になったのだと思います。
2002年以前の車両には「1」が振られています。

12〜17桁目・シリアル番号

12桁目以降はいわゆるシリアル番号です。
ウラルの場合は「2」から始まる6桁の番号が振られています。

VINから分かるウラルのひみつ

VINの読み方が分かったので、ちょっと興味本位で海外の中古車オークションサイトなどから各年式のウラルのVINを集めてみたところ、興味深いことが分かりました。

URAL_VIN
【ウラルのVINリスト(一部)】


謎の車両を発見

データは主にアメリカ市場のものなのですが、フランスで販売されたと思われる2004年式Ranger(ギアアップに相当)のVINは属性コードが「M8103」となっていました。
また工場記号も「0」になっていました。
製造者識別子は「X8J」なのでウラルの車両のはずなんですが、2011年以前の車両はウラルUSAのデータベースで仕様を調べることが出来ないので詳細が分かりませんでした。

ウラルの生産台数は年間千台?

シリアル番号については、1990年代の旧ソビエト時代のVINから連番で振られているようです。
年式とシリアル番号の増加を比較してみると、ウラルの生産台数は年間千台程度ではないかと推測します。
ただし2002年から2003年にかけては一気に2000番の差があり、2003年にVINが変更されていることも考えると、一旦シリアル番号がリセットされた可能性があります。
また、2016年式は少なくとも1100台は生産された、大ヒットの年だったようです。

思いつきで調べ始めたのですが、興味は尽きません。