四輪バイク




バイクのニュースの記事より。

フランスのメーカー「LAZARETH(ラザレス)」は、合計4本のタイヤを備えた大型バイク「LM410」を発表しました。

今回発表されたLM410は、ヤマハ「YZF-R1」用エンジンを搭載した、フロント2輪、リア2輪の「四輪バイク」。リンケージ機構が前後についており二輪車と同様に車体を傾けて旋回する。

また、駐車時に車体を直立のまま固定できるパーキングロックを備えている。
LM410の価格は、10万ユーロ(約1189万円)で、10台のみが製造されるとのこと。

この様な四輪バイクは、過去にもコンセプトモデルが世界中で発表されている。

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日本ではヤマハ発動機のテッセラクトが記憶に新しい。
海外ではスイスの「Quadro Vehicles」がスクータータイプの四輪バイクを発売している。
また、海外ではワンオフの四輪バイクを製作した例もある。

さて、この「四輪バイク」、日本には無いカテゴリの乗り物なので、発表されると同時に車なのかバイクなのかと言う議論が巻き起こった。

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車両区分と言えば当ブログではおなじみの道路運送車両法と道路交通法の話だ。

結論から先に言ってしまうと、道路運送車両法では小型自動車、道路交通法では普通自動車となる。
じゃあ、普通自動車免許を持っていれば小型自動車として登録し公道を走れるかと言うと、話はそんな簡単では無い。

と言うのも、道路運送車両の保安基準第18条の規定により、前面衝突安全基準に適合しなければならないからだ。
この基準は一般的な四輪自動車を想定して作られているので、オートバイと同様の構造を持つこの車両で基準に適合することは難しい。
トライクはこの基準を回避するため「三輪自動車」から「側車付二輪車」に区分が変更されたほどだ。
(参考:「二輪自動車の基本構造を有する三輪自動車の分類の法令による明確化」(内閣府)

では、トライク扱いにすれば良いのでは、と思う人もいるだろうが、これにも制限があって、トライク(側車付二輪自動車)になるには「三輪のもの」との条件があるので四輪の乗り物は対象外なのだ。

車体を傾けて旋回するから「特定二輪車」に指定すれば良いのでは、と思うかも知れない。
特定二輪車は道路交通法における「三輪の自動車」のうち次の条件に全て当てはまる車両を自動二輪車として扱うと言うものだ。
  • 三個の車輪が左右対称に配置されている。
  • 左右の車輪の間隔が460mm未満。
  • 車体を傾けて旋回する。
これにも「三個の車輪」とあるので四輪の乗り物は対象外。
そもそも、特定二輪車は免許など道路交通法上の区分を定めるもので、道路運送車両法の保安基準を免れることは出来ない。

と言うわけで、現行法では、この車両の公道走行自体が難しいと言う結論になってしまった。
四輪バイクはスリップに強く悪路走破性が高いなどの利点があり、世界中のメーカーが研究開発をおこなっている。
今後四輪バイクが増えて、新しいカテゴリの乗り物として世界に認知されれば、法改正などを経て合法的に乗れるようになるかも知れない。