おさらい
サイドカー付き バイク事故 重体の母死亡:どうしん電子版(北海道新聞) https://t.co/c7wQl0jQGb
— 北海道新聞 (@doshinweb) 2017年8月24日
先日のサイドカー付きオートバイの事故では、重体だった同乗者が亡くなるという、大変残念な結果となりました。
この事故について、ツイッターのタイムラインでは、事故を起こしたサイドカー付きオートバイにヘルメット装着義務が無いことに驚く人が多く見られました。
これに関連して、全てのサイドカー付きオートバイにヘルメット装着義務が無いと思っている人や、サイドカーとトライクは違うと思っている人、ヘルメットを装着していなかったことを不法行為と思っている人が見られました。
そこで、事故を起こしたサイドカー付きオートバイが、なぜヘルメット装着義務が無いのかを改めておさらいしてみたいと思います。
先ず、次の画像をご覧ください。
上が今回事故を起こした車両と同型のウラル・ギアアップです。
下は同じウラルのcTです。
この二台は車検証上はどちらも「側車付きオートバイ」と記載されていますが、cTは自動二輪車に分類され、ギアアップは、いわゆるトライクに分類されます。
外観上よく似ている二台ですが、決定的な違いがあります。
それは、ギアアップには側車の車輪を駆動できる2WD機構があるということです。
公道を走る乗り物は次の二つの法律で定義されています。
一つは運転免許などを定めた道路交通法。
もう一つは形状などを定めた道路運送車両法です。
【2019.11.25記述を整理しました】
道路交通法と道路運送車両法ではトライクの定義が異なります。
運転免許を定めている道路交通法ではサイドカーやトライクという区分は無く、本車(オートバイ部分)と側車の車輪を駆動できるものを普通自動車、本車のみ駆動するものを自動二輪車と定義しています。
この定義のため、ギアアップはトライク、cTは自動二輪車となるのです。
トライクは普通自動車に区分されているので普通自動車免許で運転でき、ヘルメットの装着義務がありません。
普通自動車だからヘルメットの義務が無いのです。
オープンカーの乗車にヘルメット装着義務がないのと同じです。
一方、自動二輪車に区分された車両の運転は自動二輪車免許が必要で、自動二輪車だからヘルメットの装着義務があるのです。
今回の事故でもお分かりの通り、ヘルメット装着義務が無いからヘルメットが不要なわけではありません。
むしろ、サイドカー付きオートバイへのヘルメット無しの乗車は全くお勧めしません。
サイドカー付きオートバイは自動車とも自動二輪車とも違う、独自の特性を持っていて、運転には細心の注意が必要です。
ヘルメットは法律を守るためにあるのではなく、命を守るためにあるのです。