マツダ
 
株主です。

今年も株主総会に参加しました。

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一年ぶりのマツダ本社。
この日は雨予報だったのですが、何とか持ってくれました。

ロビー受付で出席票をもらって入場し、会場の本社講堂へ向かいます。 

時事通信によると、この日の出席者は387人。


冒頭に丸本明社長より、昨年に続き1株当たり20円の配当を今株主総会に諮ることが発表されました。
(注:第1号議案、その後可決)
また、監査等委員会設置会社への移行を今株主総会に諮ることが発表されました。
(注:第2~7号議案)
これらは可決され、総会終了をもって移行されました。

事業報告では、今期販売台数は、中国や米国、オーストラリアでの販売が減少したことにより、前期比4.2%減の156万1千台となりました。
北米でセダンの販売減少に加え、他社との競合によりSUVの販売が減少したとの事です。
さらっと言ってますが、現在マツダは車種構成がSUVに偏向しており、かつて「ミニバン屋」と揶揄されたホンダがミニバンブームの終焉で販売が減少した時のような危機感を感じるのは私だけでしょうか(汗)

営業利益は前期比43.3%減の830億円となったことなどが報告されました。

また、中期経営方針の説明では、丸本氏により、ブランド価値の考えやマツダの強み、弱みについての経営陣の認識などが説明されました。
これらは株主総会での株主質問のFAQとなっており、予め表明することで質問時間の短縮などを図ったのかも知れません。


続いて株主との質疑応答。
(注:発言の順序は時系列ではありません。)

株主総会と議案について質問がありました。

株主
「監査等委員会設置会社について。何故今移行するのか。」

丸本氏
「自動車産業および当社を取り巻く事業環境は将来に関する見通しがかなり不透明になっており、迅速な経営判断、実行が求められることから、監査等委員会設置会社に移行し、経営意志決定の迅速化、監督機能の強化を図りたい。」


株主
「(従来の)監査役設置会社との違いは何か。」

丸本氏
「監査等委員会設置会社の取締役監査等委員は議決権を有する。監査役設置会社の監査役には議決権が無い。取締役監査等委員は会社の意志決定に直接参加でき取締役の監督機能を強化できる。」


株主
「取締役監査等委員が議決権を有することで監査が弱くなることは無いか。」

丸本氏
「監査等委員会は別途設定されるため監査自体に大きな変更は無いが、取締役監査等委員が議決権を持つため、監査結果に応じた経営への直接参加により監査の反映は強化される。」


株主
「大きな問題になった東芝不正会計事件のような事にならないか。」

吉原 誠・常務執行役員、管理領域統括補佐、グローバル監査・CSR・環境・秘書・総務・法務・コンプライアンス・リスクマネジメント担当
「東芝は指名委員会等設置会社であり監査等委員会設置会社とは異なる。」


株主
「株主総会会場入口前に喫煙コーナーがあるが、屋外に置くべき。建物内の設置は健康増進法違反ではないか。」

吉原氏
「不快な思いをさせ申し訳ない。指摘に従い来年から対応したい。」


招集通知の記載事項について質問がありました。

株主
「研究開発について、2030年の電動化完了(の見込み)では遅すぎるのではないか。」

廣瀬 一郎・専務執行役員、研究開発・コスト革新統括、パワートレイン開発・統合制御システム開発担当
「2030年は電動化の完結時期としているが、内燃機関に電動化技術の組み合わせやロータリーエンジンを利用したレンジエクステンダーなど世界各国の需要に合わせて展開していきたい。」


株主
「コネクティッド構想について具体的に知りたい。」

藤原 清志・副社長執行役員、社長補佐、グローバルマーケティング・販売・カスタマーサービス統括
「コネクティッドは車の異常をディーラーやメーカーに知らせるなど顧客の安全や快適につなげることが基本だが、その上で、車が繋がることで社会問題の解決に使えるのではないか、人が人を助ける、マツダの『人間中心』の考えに一致するのではないかと実証実験をおこなっている。」


ロータリーエンジン搭載車について質問がありました。

株主
「ロータリーエンジンで走る車は開発しているか。」

廣瀬氏
「環境性能と動力性能を大幅に高める技術開発を進めている。」

小飼 雅道・代表取締役会長
「回答できる範囲で回答させていただいた。」


機能や技術について質問がありました。

株主
「高齢者の踏み間違い防止について。」

廣瀬氏
「若年層と高齢層で踏み間違い事故が多いとの調査結果がある。マツダ・プロアクティブ・セーフティと言う安全技術の全面展開を図っている。」


株主
独立行政法人自動車事故対策機構の自動車アセスメント(JNCAP)が公開した動画『ペダル踏み間違い防止10車種一斉テスト』で前進時にアクセルを全開するとアテンザは止まらないが他車種は止まる。」
 
廣瀬氏
「JNCAPの試験結果は後付けの加速抑制装置の効果を試すテストの比較対象として、JNCAPと協議の上で(装置の無い)アテンザが使われたもの。」




【ペダル踏み間違い防止10車種一斉テスト(JNCAP)】


株主
「排ガス規制について2030年頃の厳しい規制をクリアする目途は立っているか。」

廣瀬氏
「内燃機関の効率を極限まで高めた上で電動化技術を適用することで様々な規制に対応していけると考えている。」


株主
「マツダ3のクルージングトラフィックサポートについて。先代アクセラにあった高速でのレーンキープ機能がなくなった。他社製品にはあるので商品性に見劣りするのではないか。」

廣瀬氏
「渋滞など運転にストレスのかかる場合にサポートし、その他の領域では走る喜びを享受する「人間中心」の考えから50km/hで作動を制限している。今後も最適な方法を模索していく。」


株主
「(かつてボンゴフレンディにあった)オートフリートップを搭載した車を開発する意欲はあるか。」

藤原氏
「オートキャンプがさかんになっており、可能性があると思っている。高いニーズがあれば検討したい。」


株主
「ロードスターの福祉車両(注:手で運転操作する車両)について、使い易くして欲しい。」

藤原氏
「日本及び世界の両方のシステムで検討している。いくつかの課題も出ておりこれらを解決していきたい。」


販売やサポートについて質問がありました。

株主
「Mazda3ファストバックの生産をメキシコと中国で行わないのは何故か。」

菖蒲田 清孝・専務執行役員、品質・ブランド推進・購買・生産・物流統括
「(各工場は)フレキシブル生産システムを備えているが、市場にふさわしい車を市場に近い生産拠点で生産する供給体制を構築している。」


株主
「新世代店補で新年の粗品を貰ったが、内容が百均で売られているような洗剤などだった。ブランド価値向上を目指す中で内容がそぐわないのではないか。」(場内失笑)

稲本 信秀・専務執行役員、中国事業・国内営業・法人販売統括
「2019年3月期において35万件の意見を頂戴している。貴重な意見として承る。」


株主
「CX-5のリコールを受けた際、DMでは5時間とあった作業時間が、ディーラーでは4日間と言われた。」

菖蒲田氏
「CX-5のディーゼルエンジンに関するリコールでは、1台の改修にかかる時間としてDMに5時間と案内していた。販社では複数の顧客に対応するため4日間との回答になったと思う。改めてお詫び申し上げる。」


株主
「広島マツダ東支店とアンフィニ福山は200メートルほどしか離れていない。販売効率が悪いのではないか。」

稲本氏
「貴重な意見として承る。」


株主
マツダブランドスペース大阪について。当初月1回程度おこなわれていたイベントが、昨年6月以降半減した。」

稲本氏
「昨年の大阪地震でマツダブランドスペース大阪が被災し、復旧までしばらく閉館した影響もあり開催回数が減った。」


その他。

株主
「重度障害者の雇用状況について。」

吉田 和久・執行役員、グローバル人事・安全・病院担当
「積極的な取り組みをおこなっている。社内には300名を超える障害者が働いている。」


意見、要望など。

株主
「アテンザがモデルチェンジしてもMT車を残して欲しい。」

株主
「RX-Visionが株主総会の場にあれば良いアピールになるのではないか。」



総会は大きな混乱もなく終了しました。
今回は株主さんの質問が洗練されていたのが印象的でした。
毎年、数名は意味不明の質問をする人が出るのですが、今回はそれが無く、粛々と進行されました。

総会の後は、いつものマツダミュージアムと工場見学です。
今年は出席者が少ない事もあり連絡バスにすぐ乗れました。


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昼食代わりの軽食と飲み物。
いつもの広島アンデルセンのサンドイッチ。


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ミュージアム展示には歴代ロータリーエンジン搭載車がずらり。
しかしRX-8のみありませんでした。
なんでやねん。


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以前、水素ロータリー車が展示されていたスペースは広場になっていました。


ここんところ営業利益も株価も下がりっぱなしですが、来期には浮上してほしいものです。