キャッシュレス



 ITmedia ビジネスオンラインの記事より。

 ファミレスチェーン「ロイヤルホスト」を系列の「GATHERING TABLE PANTRY(ギャザリング テーブル パントリー)」は、支払いに現金を使えない「現金お断り」の店だ。
この店は開店当時話題になったのを憶えている。
この記事は、店がその後どうなっているかという追跡記事だ。
私も様々な事情でキャッシュレス生活を実践しているので、大変興味がある。

 現金お断りの店はオープンして1年がたったわけだが、現場ではどんなことが起きているのだろうか。「なぬ? 現金が使えないだと。払えないじゃないか!」といった苦情はないのか。また、現金を扱わないことで、スタッフの業務にどのような変化が出ているのか。

このような店が誕生した経緯は、やはり現金管理コストの増大に対応する為らしい。
売上管理などの業務は、現場では大きな負荷となっていたそうだ。

 こうした業務はテクノロジーのチカラで、なんとかすることができるのではないか。馬喰町の店は新しい調理機器を導入して、キッチンで火や油などを使わなくてもいいようにしました。このほかにも掃除はロボットに任せたり、ペーパーレスにしたり。生産性を向上させるだけでなく、働き方改革の一環として、キャッシュレスの仕組みを導入しました。
現場の負担を軽減する為の策の一つとしてのキャッシュレス化だった。
現金の管理は非常に面倒で、悪意は無くとも釣り銭の間違いなどちょっとしたことで収支が合わなくなってしまう。
毎日のことであれば、これが軽減される意義は大きい。

しかし、日本では通貨には「強制通用力」が認められている。
(日本銀行法第46条第2項、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第7条)
つまり、通常店側は現金での支払いを拒否できない。
この点はどうだったのか。
 実際、オープンしてみてどうだったのか。トラブルはゼロ。なぜかというと、お客さんはタブレット端末を使って注文するわけですが、その際に「当店は現金を使用することができません」といった文言が表示されるんですよね。キャッシュレスでも問題がなければエンターキーを押して、注文することができる。というわけで、クレジットカードや電子マネーなどを持っていないお客さんは、注文することができないフローになっています。
注文前にキャッシュレスであることを明示しているので「契約」とみなされ、現金お断りが可能になるらしい。
上手いこと考えたなあ。

当然ながら店には現金が無い。
店内にお金があると、金庫が必要になりますよね。キャッシュレスの店はお金がないので、金庫がありません。飲食店で働いた経験がある人は理解できると思うのですが、店に金庫があるとプレッシャーを感じるんですよね。「カギはどこに置けばいいのか」「不審者が入店した場合、どのように対応すればいいのか」など、さまざまなことを考えなければいけません。
かつて、ワンオペの頃のすき家には強盗がよく入ったが、食券自販機制のなか卯には強盗は入らなかったことが話題になった。
店に現金が存在すること自体がリスクなのだ。
そして毎日の売り上げ管理業務からの解放。
この店では通常40分程度掛かる売り上げ管理が、売り上げをタブレットから本部に報告するだけなので数秒で終わるという。
さらに、キャッシュレスにすれば売り上げの伝票も入金帳も報告書不要になったそうだ。
この辺りは会計業務を クラウド会計ソフト に投げてしまった私も実感としてある。
現金の管理をしないと言うのは本当に楽なのだ。

しかし、これはあくまで店側の都合によるものだ。
実験店での成果を本業であるロイヤルホストに持ち込むことは考えていないと言う。
キャッシュレスにすると、間違いなく売り上げが下がります。2割ほど落ち込むのではないでしょうか。なぜかというと、ロイホの8割は現金で決済されているから。ランチの時間、複数で来られたお客さんは割り勘で清算するケースが目立つのですが、その際クレジットカードを使えば時間がかかってしまう。一方、現金の場合は速い。
実験店ではキャッシュレスであることを理解している客だけが訪れるが、万人を受け入れるロイホがキャッシュレス化出来るだけ、客にキャッシュレスが浸透していないのだろう。
このあたりは以前記事にしたキャッシュレスに対するアンケート結果にも表れている。

しかし、現金お断りの店は好評で、2号店も考えていると言う。
東京出張の機会があれば利用してみたいと思った。