ほんまかいな



先日、長期ビジョンを公開したヤマハ発動機の日高祥博社長のインタビューがレスポンスに掲載されていた。
大変興味深い内容だったので少し紹介したい。

冒頭で、長期ビジョンで発表されたバイクシェアリングや東南アジア配車サービス最大手のグラブ社との提携について、日高社長は東南アジアにおけるバイクタクシーの需要を例に挙げ、シェアサービスの展望について語っている。
自分たちがシェアリングを(直接)やることはないと思うが、シェアリングとは一体どういうことなのか、お客様にどういう価値を提供できるか、その中でヤマハ発動機として何がしかの価値を生み出すことができないか、こういったものをグラブとの協業を通じて学んでいきたい。

協業に関してヤマハの役割については、バイクタクシーの安全性について客観的な判断が出来る仕組みを提供したいという。
ヤマハのシンプルなセンサーをいくつかバイクに載せれば、そのバイクがどういう挙動で、どういうスピードで運転しているか全部とれるので、ドライバーの安全度ランキングを始め、いろんなことも提供できるようになると思う。そのフィードバックとして我々の2輪をいかに安全に使って頂くか、そういったところでグラブのニーズにも我々のニーズにも合致したデータ解析ができるのではないかと思う。
これ、面白いと思うけど、例えば空車の時は乱暴な運転だけど客を乗せてる時は丁寧な運転をする人なんかは区別出来るのだろうか。
バイクタクシーは出発前に交渉で運賃が決まり、メーターなどは無いんだけど。
バイクの挙動を検知して一人乗りか二人乗りを判断するのだろうか。
そもそも現地のニーズと合うのだろうか。

電動バイクについて。
ただフル電動の二輪車は、おそらく大排気量の趣味財のところではニーズはなかなかないだろうと思う。主に電動化に取り組まなければいけないのは、日々の移動のためのスクーターの領域になる。フル電動を始め、ハイブリッドによる排出ガスの削減、燃費の向上もやっていくし、場合によってはシリーズハイブリッドなどいろんな可能性は出てくるのではないか。
趣味の領域として電動バイクを導入しようとすれば、走行距離がネックになってくる。
来年発売されるというハーレー・ダビッドソンのライブワイヤーもフル充電で100kmと言われている。
この走行距離では、まだ一般のライダーに向けては厳しい状況だと思う。
少なくとも、80%の充電で200km、0%→80%充電まで1時間以内を実現しなければ趣味でバイクに乗る人を取り込むのは難しいのではないか。
実際には1回の走行距離が短いビジネスバイクから電動化は進むだろう。

E-Vinoに次ぐフル電動バイク投入については、
日高:商品計画はすでに決まっている。どれだけ遅くとも3年以内に出る。
との事だ。
ビーノもモデルチェンジしてしまったし、E-Vinoも近々後継車種に変わるのだろうか。

自動運転への対応については、実際に運用してみないとわからないことが多く、この領域の知見をまずは固めるとしている。
これは少なくとも次期中期計画の3年間以内にいろんな知見を固めてレベル3、レベル4、どのレベルでどういったもので事業化を考えるのかというのは決めなければいけない、造りこまなければいけないだろうと思っている。

先日、四輪車事業への参入の断念を発表したが、「今まで進めてきた四輪車のアイディアについてはいったん断念し、このアイディアで四輪車開発を継続することはやめる」との事で、将来的には四輪車事業への参入は諦めてないらしい。
(今後、四輪車を)やるとも言えないし、やらないとも言えない。
そりゃそうだ。
先の事なんて誰にも分からない。