凍結






ヤマハ発動機は12月11日、2030年を見据えた長期ビジョンならびに2019年からの3ヵ年における新中期経営計画を策定し発表した。





この中で、ヤマハは2013年に四輪自動車への参入を発表し研究開発を続けてきたが、採算が見込めないとして今回の参入を凍結すると日高祥博社長が発表した。
英国を拠点とする開発チームも解散したという。

日高社長は「他社と差別化した技術で参入することを検討してきた。普通乗用車の領域に事業として進んでいくことは、いったん凍結するという判断になったが、新しいモビリティの開発は引き続き行っていきたい」と述べました。

NHKニュースを始め報道各社は今回の参入を「断念」と表現しているが、日高社長の発言は「凍結」であることに留意されたい。

今回の参入凍結は新しい構造の車体の量産に対する技術的な課題が解決できない事と、販売先の検討などをおこなった結果、採算を取るのが難しいとの結論になったらしい。
今後はパーソナルモビリティやロボティクス分野に注力していくとしている。

そもそもヤマハ発動機はトヨタ自動車と共同で四輪自動車を開発した実績があるし、RV車は既に市場投入している。

今回の参入凍結は新構造の車体の市場投入が出来なかった為であり、四輪事業からの撤退を意味するものではないと思う。
技術的課題が解決されるか、新たなアプローチが見つかれば、また乗用車への参入の話が出てくるかも知れない。

一方で、ガソリンエンジン車は2040年頃には世界的に販売禁止となる見込みで、今から新規参入してもあまりメリットは無さそうに思う。
それならば、「ラストワンマイル」のパーソナルモビリティや、自動運転や「倒れないバイク」のようなロボティクス分野に注力するほうが将来的に有利になるのではないか。

上記の発表を受けて、ヤマハ発動機の株価は連日大幅上昇しており、株主にも評価されいるようだ。