走行距離





政府・与党は2020年度以降に、走行距離に応じて課税するよう自動車関連税制の税体系を抜本的に見直すとニュース各社が報じている。

現在の自動車税制は、購入時にかかる自動車取得税、車検の時にかかる自動車重量税、毎年の所有者にかかる自動車税がある。
また、道路財源としてはガソリンにかかる揮発油税がある。
自動車税制は道路インフラや環境への負荷に比例して徴収額も増加することを建前としている。
つまり、道路を占有する面積が大きく重い大型車は専有面積が小さい小型車よりも税額が高い。
特に自動車税はエンジンの排気量によって税額が決まっていて、排気量が大きくなるほど税額が高くなる。
しかし、近年は小排気量で高出力なエンジンの開発が進んだことと、ガソリンエンジンから電気モーターへ移行が進みつつあることから、従来の排気量基準の課税では将来的に税収が減少すると考えられている。

ところで、日経の記事では、
排気量に応じた現在の自動車税制を続けると排ガスが出ないEVやHVの保有に課税するのは難しくなる。
と、まるでEVには課税されないように書かれているが、電気モーターを使用する車でもモーターの出力に応じて排気量相当の税額が徴収されるので、「EVだから課税されない」なんてことはない。
この日経の記事では他にも軽自動車の排気量が650ccと書かれてあったり、排気量の区分けが「高級車」「エコカー」「小型車」だったりと、この記事書いた記者は自動車に詳しくないことが見て取れる。

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【日経より、軽自動車の排気量は650cc?】


エコカーやEVの普及によって税収の減少を防ぐため、政府与党は自動車税制を改め、走行距離による課税に切り替えようとしている。
現在でも車検のたびにオドメーターの数値を車検証に記載しているので、走行距離による課税に移行しやすいと思う。
税の公平負担の原則から見ても、走行距離による課税は一見公平なように見える。
ここで問題となってくるのは自動車の生活への重要度だろう。
公共交通機関が整備され、車を使わなくても生活できる都市部の人には影響は少ないが、どこに行くにも車が必需品という地方の人には大きな影響が出る。
昔のように自家用車が贅沢品で多額の税金をかけていた頃(その名残で現在も日本の自動車税は諸外国より高い)ならともかく、生活必需品となった現在では、その影響は富裕層より一般市民のほうだろう。
「自分は車を持っていないから関係ない」と思っている都市部の人も他人事ではない。
走行距離による課税がされると、最も影響を受けるのは運輸業界だ。
今までと違いトラックの走行距離によって課税されるので、当然増税になるだろう。
その分は運送料に転化され通販の価格にも影響が出る。
路線バスも値上げになるだろう。
特に長距離を走る高速バスは、現在のような低価格で据え置くことはできなくなると思う。

自動車の仕組みが変わり税制が変わるのは理解するが、今後どのような税制となるのか目が離せない。