Aシート







ITmedia ビジネスオンラインの記事より。

 西日本旅客鉄道(JR西日本)は2019年春から、JR神戸線・JR京都線・琵琶湖線を運行する「新快速」の一部に、有料座席「Aシート」を新設する。全席に電源を配置するほか、無料Wi-Fiなども提供し、快適性を高める。乗車の際は、乗車券代や定期券代に加え、1回当たり500円の着席料金が必要。

関西圏の人ならおなじみだが、JR西日本には「新快速」というカテゴリの電車がある。
首都圏や東海では「特別快速」とか呼ばれている種別に近く、普段は特急列車や貨物列車が利用する線路を使い、停車駅を減らして特急並みの速度と所要時間で運行している。
所要時間が短いことから車内はいつも混雑していて、特に朝夕のラッシュ時は殺人的だ。
余りの混雑で積み残しが出ることもあり、乗降時間がかかるための遅延も頻繁に起こっている。

この新快速電車の一部に有料座席を設定するらしい。

 新快速で使用している、223系1000番台(2編成)の9号車を改造する。定員は46人で、座席にはリクライニング機能とテーブルも設ける。内装を工夫して落ち着きのある空間に仕上げるほか、荷物用のスペースも確保する。
南海電車の特急サザンの指定席のようなものだろうか。
特急サザンへの乗車に特急券は不要だが、一部車両が有料の指定席となっており、リクライニングシートや電源コンセントが用意されている。
私は電源コンセントを使用するだけのために指定席を利用している。

新快速のAシートは指定席ではなく、空いている席に着席後、乗務員から乗車券を購入して利用するらしい。
席料は500円で、交通系ICカードでの決済に対応するのは良いのだが、指定席ではないので新幹線の指定席のようなマナー問題がまた発生しそうだ。
グリーン車ではグリーン券を持たない人はグリーン車内に立ち入ること自体ができず、もし立ち入って喫煙ルームなどのグリーン車の設備を使用するなどすれば、グリーン料金を徴収される。
しかし、Aシートは指定席ではなく、着席後に席料を支払う方式なので、車内への立ち入りは出来る。
Aシートを利用する気が無くても、混雑を避けて通路に陣取ったり、無料Wi-Fi目当てに立ち入って来る人も出て来るだろう。
また、定員は46人との事で、慢性的に混雑している車内ではAシートはすぐに売り切れてしまうだろう。
空席待ちの人の対応をどのようにするのかも気になる。

かつて、国鉄時代の快速電車にはグリーン車が有ったが、利用者が少なく廃止された。
今なら新快速にグリーン車を設定しても利用者が見込めるのではないだろうか。
Aシートは、その前段階なのかも知れない。