不適切





完成車の燃費・排ガスの抜き取り検査で、スズキ、マツダ、ヤマハ発動機が不適切な方法で行っていたことが明らかになった。
3社は、それぞれ記者会見を開いて経緯などを説明した。

この発表を受けて、ヤマハ発動機の株価は一時150円も下落し、ヤマ発株主である私は大損してしまった。
プログラム売買で損切ラインを下回ると自動的に売却されるように設定していたのだ。チクショー。
まあ、それは取り敢えず置いといて。チクショー。

不正が発覚したきっかけは、日産とスバルによる排ガス検査の不正とデータ改ざんが発覚し、国土交通省がメーカー各社に過去の検査記録の洗い直しを指示したことにある。

ツイッターのタイムラインでは、この発表を知った人たちから「どこも同じか」などと嘆く声が聞かれた。

しかし、ヤマハの記者会見の内容を聞いてみると、日産やスバルの時とは内容が少し異なるようだ。



完成車の排ガス検査は抜き取りでおこなわれる。
検査は、検査員が定められた運転パターンで車両を操作し、排ガス値を計測するが、この時、運転パターンを外れた操作をした「トレースエラー」という状態のデータは除外しなければならない。
しかし、ヤマハがおこなっていた検査工程ではトレースエラーとなったことを検査員が知ることが出来ず、検査結果にも有意義な変化が現れないため、正しく検査がおこなわれたと判断されてしまったらしい。
実際、同一ロットの在庫車にて再度排ガス測定を行った結果、全車両で保安基準に適合していた。

これらはスズキ、マツダも同様で、意図的に数値を改ざんした日産やスバルとは不正の意味合いが根本的に異なる。

今回の問題の再発防止策として、ヤマ発は測定後のトレースエラーの有無を検証する手順の追加と、測定結果の有効性を検証するプロセスを実施するとしている。

しかし、国交省が定めた排ガス検査方法が本当に適切なのか疑問が残る。
ヤマハの発表ではトレースエラーは5年間で7台しか起こっておらず、逸脱時間は最大でも6秒だ。
中には逸脱時間0.1秒というものもある。
ベテラン検査員でも逸脱してしまう検査方法が果たして適切なのか、検査を自動化して、検査員の技能に頼らない検査ができないものか。
また、トレースエラーが発生しても結果的に排ガス検査には合格しているわけで、この検査自体が実は無意味なんじゃないかという疑問もある。

この問題はメーカーだけの問題では済まない気がしてならない。